カルシウムとは?
カルシウムは骨や歯などをつくっている栄養素です。体重の1~2%を占めていて、その99%は骨と歯に、残り1%が血液や細胞内に存在します。この1%のカルシウムが、血液の凝固・筋肉の運動・神経伝達などの重要な働きをしています。このため、カルシウムはいつも骨に蓄えられているということになります。
一方で、骨は少しずつ形成と吸収を繰り返し、常に作り変えられ、血中のカルシウム濃度を一定の範囲内に維持しています。
カルシウム不足になると、骨吸収が骨形成を上回り、カルシウムを主成分とする骨の組織はスカスカになってしまいます。1日に必要なカルシウム摂取量を確認し、カルシウム不足を解消していきましょう!
カルシウムの摂取量
カルシウムの推奨摂取量は、成人男性:約700~800mg/日、成人女性:約650mg/日といわれています。また、年齢や性別によっても摂取量は異なります。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2010年版)」では、カルシウムの推奨摂取量が定められています。ここでは一部抜粋してご紹介いたします。
カルシウムの推奨摂取量
男性(mg/日) | 女性(mg/日) | |||
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年齢 | 推奨量 | 耐容上限量 | 推奨量 | 耐容上限量 |
12~14(歳) | 1,000 | — | 800 | — |
15~17(歳) | 800 | — | 650 | — |
18~29(歳) | 800 | 2,500 | 650 | 2,500 |
30~49(歳) | 650 | 2,500 | 650 | 2,500 |
50~69(歳) | 700 | 2,500 | 650 | 2,500 |
70以上(歳) | 7.0 | 50 | 6.0 | — |
上記の表は、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2010年版)」より、一部抜粋して掲載しています。
カルシウムが豊富な食べ物
カルシウムは普段の食事から摂取することができます。日本人には特に不足しがちな栄養素とも言われており、積極的にカルシウムを摂り入れることが推奨されています。
カルシウムは、成長期の子供だけではなく、大人にもとても重要な栄養素です。ここでは、カルシウムを多く含む食品についてご紹介します。
牛乳・乳製品
カルシウムを多く含む食品といえば、一般的には牛乳が上げられますが、乳製品(ヨーグルト・チーズなど)もカルシウムが豊富に含まれています。
牛乳は、コップ1杯(200ml)で約220mgのカルシウムが含まれていて、1日に必要なカルシウムの目安量の平均値(700mg)のおよそ1/3にあたります。また、ヨーグルトは1個(約80g)で約100mgのカルシウムが含まれています。
豆類
大豆、納豆、木綿豆腐、えんどう豆などにカルシウムが多く含まれています。豆類には鉄分も含まれているため、貧血・めまい・肩こりなどの症状がある方にもおすすめです。
魚介類
いわし、ししゃも、しらす、桜エビなどに鉄分が多く含まれています。小魚は、カルシウムが豊富に含まれるだけでなく、カルシウムの吸収を良くするビタミンDも含まれていることも多いため、効率よくカルシウムを摂取することができます。
海藻類
ひじき、わかめ、昆布などにカルシウムが含まれています。海藻類は、比較的に普段の食事に追加しやすいものなので、お味噌汁やサラダなどから積極的に摂り入れていきましょう。
緑黄色野菜
ほうれん草、小松菜、ブロッコリー、パセリなどの緑の野菜にカルシウムが多く含まれています。乳製品や魚介類が苦手という方は、野菜から摂取していきましょう。
カルシウム不足による症状
カルシウム不足になると、一般的には骨の健康障害(骨折や骨粗鬆症)の原因として知られていますが、その他にも痙攣・神経過敏・高血圧・動脈硬化・アルツハイマー病などの症状を引き起こしてしまいます。
日本人は、カルシウムの摂取量が低いといわれており、今までカルシウムの標準摂取量が目標値を上回ったことがありません。カルシウムは吸収率があまりよくない栄養素なので、食品・食材に含まれるカルシウムのうち、4分の1から半分程度しか吸収することができないため、標準摂取量を摂取することが難しい栄養素とされています。
また、厚生労働省でも発表されていますが、成長期にはカルシウムの標準摂取量が最大となります。この成長期にカルシウム不足の状態が続いてしまうと、大人になってからカルシウム不足の症状を起こしやすいとされています。成長期の子供、大人ともにカルシウムは重要な栄養素なので、積極的にカルシウムを摂取していきましょう。
参考 【カルシウム不足解消】子供用カルシウムサプリ!人気おすすめ3選
摂取前に知っておきたい注意点
カルシウムは、通常の食事をしている分には過剰摂取になることはほとんどありません。むしろ、日本人はカルシウムの摂取量が低いとされているので、カルシウム不足のほうが問題です。カルシウムだけを多く摂取したとしても過剰に吸収されることはありません。しかし、栄養素のビタミンDを過剰摂取してしまうと高カルシウム血症の症状を引き起こす場合があるため、ビタミンDの過剰摂取には注意が必要です。
また、妊娠中は胎児の骨や歯を作るためにより多くのカルシウムが必要になります。カルシウムが不足すると、出産後に骨密度が低下し、骨や歯の障害を生じたり、胎児の骨や歯まで弱らせてしまう可能性もあります。妊娠中・授乳中でカルシウムの摂取を考えている方は、通常の場合と目安摂取量が異なるので、担当医師に相談し、医師の指示のもと適切な判断をしていきましょう。
まとめ
本記事のポイントについてまとめました。
- カルシウムの推奨摂取量は成人男性:約700~800mg/日、成人女性:約650mg/日
- 日本人のカルシウム摂取量は標準値に達していない
- 比較的に普段の食事で取り入れやすい栄養素
- カルシウム不足は骨折・骨粗鬆症・痙攣・神経過敏・高血圧などの症状がある
- 通常の食事をしている分には過剰摂取になることはほとんど無い
- 成長期・妊娠中はより多くのカルシウムの摂取が必要