パッと読むための見出し
鉄分の摂取量
1日に必要な鉄分の目安摂取量は、成人男性:約7.0~7.5mg/日、成人女性:約6.0~6.5mg/日と言われています。鉄分のサプリメントは、様々な製品が販売されていますが、各サプリメントによって1日の目安摂取量が異なります。
鉄分は摂りすぎても身体に良くないので、その製品に記載されている1日の目安摂取量を基本にして適切な量を摂るようにしましょう。
1日に必要な鉄分の目安量は?
鉄分の目安量は、年齢・性別、女性は月経の有無によっても異なります。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2010年版)」では、鉄の推奨摂取量が定められています。ここでは一部抜粋してご紹介いたします。
鉄分の推奨摂取量
男性(mg/日) | 女性(mg/日) | ||||
---|---|---|---|---|---|
年齢 | 推奨量 | 耐容上限量 | 推奨量(月経無し) | 推奨量(月経有り) | 耐容上限量 |
12~14(歳) | 11.5 | 50 | 10.0 | 14.0 | 50 |
15~17(歳) | 9.5 | 50 | 7.0 | 10.5 | 40 |
18~29(歳) | 7.0 | 50 | 6.0 | 10.5 | 40 |
30~49(歳) | 7.5 | 55 | 6.5 | 10.5 | 40 |
50~69(歳) | 7.5 | 50 | 6.5 | 10.5 | 40 |
70以上(歳) | 7.0 | 50 | 6.0 | — | 40 |
上記の表は、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2010年版)」より、一部抜粋して掲載しています。
そもそも鉄分とは?
鉄は、わたしたちの身体に必要なミネラルの一種で、体内には約3~5g存在して、主に赤血球をつくるのに必要な栄養素です。体内にある鉄のうち約70%が血液中の赤血球をつくっているヘモグロビンの成分になっていて、約25%は肝臓などに貯蔵されています。
ヘモグロビンは、呼吸で取り込んだ酸素と結びつき、酸素を肺から身体の隅々まで運ぶという重要な働きをしています。このように、鉄は健康的な生活をおくるために大切な栄養素の一つとなっています。
鉄分は食事から摂取できるの?
鉄分は普段の食事から摂取することができます。現代では女性の5人に1人が鉄欠乏性貧血であるといわれており、生理時の出血や妊娠・出産によって鉄分が失われやすくなるため、積極的に鉄分を摂り入れることが推奨されています。
鉄分不足と聞くと一般的には貧血をイメージされやすいですが、その他にも肩こり・めまい・冷え性・食欲低下・集中力低下などの症状もあるため、女性だけではなく男性の体内にも必要な成分です。ここでは、鉄分を多く含む食品についてご紹介します。
肉類
鉄分を多く含む食べ物といえば、一般的にはレバーを思い浮かべることが多いようですが、牛肉・豚肉・鶏肉の肉類にも鉄分が含まれています。特に牛肉・豚肉の赤みの部分は体内での吸収率が良いと言われています。
魚・貝類
牡蠣・しじみ・あさり・ぶり・かつお・いわし・煮干しなどに鉄分が多く含まれています。肉類が苦手という方は、魚・貝類から摂っていきましょう。
野菜類
パセリ・ほうれん草・小松菜・モロヘイヤ・枝豆などの緑の野菜に鉄分が含まれています。特にパセリには多くの鉄分が含まれているため、パセリが苦手で残してしまうという方も、栄養価が高いので少しずつ克服して摂取してみましょう。
豆類
納豆・枝豆・そら豆・えんどう豆・豆乳などに鉄分が含まれています。豆類には、身体に酸素を運ぶヘモグロビンと鉄分を結びつける働きのある銅も含まれているため、鉄分不足の方は積極的に摂り入れると良いといわれています。
海藻類
ひじき・青のり・わかめ・昆布などに鉄分が含まれています。海藻類は、比較的に普段の食事に追加しやすいものなので、お味噌汁やサラダなどから積極的に摂り入れていきましょう。
鉄分不足による症状は?
鉄分が不足すると、貧血・めまい・肩こり・冷え性・食欲低下・集中力低下などの症状が起こります。貧血の症状の場合は、一般的に鉄分不足のイメージが強いので比較的に摂取するタイミングが分かりやすいですが、その他の症状は鉄分不足が原因ということが分かりづらいものがあります。
また、症状が出てから鉄分を摂取したとしても身体に吸収されて症状が改善されるまでに時間がかかる場合があります。少しでも鉄分不足を感じたら積極的に鉄分を補給して、日頃から鉄分不足にならないように栄養バランスを整えていきましょう。
鉄分サプリメントに配合されている成分
貧血・めまい、肩こりの症状の解消を目的として摂取されることが多い鉄分サプリメント。最近では、一人暮らしをする人が多くなっているため、女性だけではなく男性も野菜不足や栄養不足の解消のため鉄分を摂り入れる方も多くなり、様々なメーカーが鉄分のサプリメントを販売しています。各メーカーによって配合されている成分が異なり、効果効能も少し異なります。購入する前には成分を確認し、自分に合うサプリメントを選んでいきましょう。
ヘム鉄
ヘム鉄は、酸素を身体のすみずみまで運ぶ働きがあります。食品に含まれる鉄には、肉・魚などの動物性食品に多く含まれるヘム鉄と、野菜・穀類などに含まれる非ヘム鉄があります。ヘム鉄の方が非へム鉄より吸収率が高いことが知られています。また、一般的に日本人が食事から摂取する鉄の約85%以上が吸収率の低い非ヘム鉄となっています。鉄分不足を食材・食品やサプリメントで解消したい方は、吸収性の高いヘム鉄を選んで摂取していきましょう。
葉酸
葉酸とは、緑の野菜やレバーなどに多く含まれるビタミンB群の一種です。たんぱく質をつくる手助けをしたり、皮膚や粘膜を強くするはたらきでも知られています。また、おなかの赤ちゃんのすこやかな発育に重要な役割を果たします。日々の健康維持を考えている方はもちろん、鉄分不足・栄養不足を解消したい方、妊娠中・授乳中の方にもかかせない栄養素となっています。
ビタミンB12
ビタミンB12は、水に溶ける水溶性ビタミンでビタミンB群の一種です。貧血や睡眠のサポートに有効なビタミンとして知られています。主な働きとしては、葉酸と協力して赤血球中のヘモグロビン生成を助けています。脳からの指令を伝える神経を正常に保つ役割もあり、ビタミンB12の栄養不足を解消することで、不眠症・時差ぼけの改善にも効果的とされています。
ビタミンB6
ビタミンB6も、水に溶ける水溶性ビタミンでビタミンB群の一種です。たんぱく質の分解・合成を助け、皮膚や粘膜の健康維持に働きます。また、神経伝達物質の合成にも関わるため、精神状態の安定やホルモンバランスを整えるの役割もあります。
摂取前に知っておきたい注意点
鉄分の過剰摂取は、すぐに症状が出るものと少しずつ蓄積されることで起きるものがあるので注意が必要です。過剰摂取の症状としては、胃腸障害(吐き気・嘔吐・下痢など)、血色素症(血管疾患・肝硬変・糖尿病)があります。
通常の食事では鉄分の過剰摂取症状が起こることはほとんどありませんが、錠剤・ドリンク・サプリメントで過剰摂取をしてしまうと起きてしまう可能性があります。
また、妊娠中・授乳中で鉄分の摂取を考えている方は、通常の場合と目安摂取量が異なるので、担当医師に相談し、医師の指示のもと適切な判断をしていきましょう。
まとめ
本記事のポイントについてまとめました。
- 鉄分の目安摂取量は成人男性:約7.0~7.5mg/日、成人女性:約6.0~6.5mg/日
- 比較的に普段の食事で取り入れやすい栄養素
- 鉄分不足は貧血・めまい・肩こり・食欲低下・集中力低下などの症状がある
- 症状が出てる前に日頃から鉄分を補給しておくことが大切
- 女性は月経・妊娠の有無によって1日の目安摂取量が異なる